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#コラム

SAIKURU Vol.178 「非日常を約束する 九州最大規模のグランピング施設」

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SAI建築社が提案する
暮らしと住まいの新しいサイクル
と題して定期的にお届けしている
WEBマガジン「SAIKURU」

2023年4月よりWEBマガジンとして
リニューアルいたしました。

 

非日常を約束する
九州最大規模のグランピング施設

case 178
【大分県・由布市】2023年7月 施設リニューアル
 

2019年7月、由布市の西、狭間町の山間にグランピング施設が開業しました。「湯布院温泉郷 グランピング COMOREBI (コモレビ)」は、九州における本格的なグランピング施設の先駆けです。客室は開業当初の9棟から増えて、現在は全11棟。どの部屋も完全なプライベート空間、そして自慢の“アウトダイニング”が堪能できます。

このアウトダイニングとは、フレンチの本場・パリにレストランを展開する黒岩シェフが監修したコース料理をアウトドアでとことん楽しめる内容になっています。まさにこの施設ならではの名物です。もう一つの名物が温泉。グランピング施設にいながらにして、温泉まで堪能できてしまうのが、このCOMOREBIの魅力です。

そんな夢のようなグランピング施設ですが、開業から4年が経ち、新たな課題も出てきたのだと施設の広報を担当するNさんは言います。今回はそんな課題をSAI建築社とともに解決したお話。Nさんに詳しくうかがいます。
 


 

どこまでも追及する
非日常の世界観。

———グランピング施設を始めたきっかけは?

Nさん「当社の会長はとにかく『まずはやってみよう』という性格の持ち主なんです。この土地には元々キャンプ場があったこともあり、ロケーションは抜群だったこともあり、それで思い切って、グランピング施設に作り替えました。大変だったのは、最初の整地でしょうか。会長の性格上、なんでもやってみたいという思いが強いため、この土地を整地するところから、実は自社で手掛けました」
 


———会長はアクティブな発想の方なのですね。2019年というと、かなり早い気がします。

Nさん「おそらく九州ではいち早く、グランピング事業に乗り出したのは当社だと思いますよ。スタートしていきなりコロナ禍になってしまいましたが、それでもこうして今も事業が継続しているのは、最初にしっかりコンセプトを作り込めたからだと自負しております。おかげさまで現在でも九州随一の規模を誇る施設だと思いますよ」
 


———どのようなコンセプトだったのですか。

Nさん「この施設で大切にしているのは“非日常”の演出です。その後、弊社以外にもグランピング施設が増えてきた中、その非日常の演出をどこまでやるかが重要だと考えています。例えば家具はタイなどに直接、買い付けに足を運び、それぞれの部屋に合わせてコーディネートしています。特別な1日を過ごしていただくため、力を尽くした結果、いわゆる旅行目的だけでなく、記念日を祝っていただくケースが年々増えていっているんです。弊社としてもサプライズのお手伝いをサポートするなど、力を入れています」
 


———リピーターも増えていきそうですね。

Nさん「そうなんです。まだまだ創業から5年に満たないくらいですが、それでも『また利用したい』というお声をいただくことも多くなり、本当に励みになります。そして、こうやって営業を続けていく中、お客様からのニーズも次第に分かってきました。それが温泉です。

現在、11の部屋が稼働しているんですが、そのうち、専用の温泉が付いている部屋がダントツで人気を集めています。他の部屋よりも価格帯は少し上がるんですが、非日常を求めるお客様にとって、内容が魅力的であれば、金額は少し高くても構わない、ということなんでしょう。データにも顕著に出ていますし、実際にご利用後にアンケートを取ってみても、もっと専用のプライベート温泉の付きの部屋を増やしてほしいというご要望が多く集まっています」
 


 

さらなる顧客満足のために
温泉という魅力を付加する。


———非日常の演出のため、温泉という付加価値が求められていたのですね。

Nさん「それでこの度、2つの部屋を貸し切り温泉風呂付きとしてリニューアルすることに決めました。弊社とSAIさんの会長同士のご縁があり、そのうちの一つをぜひSAIさんにお任せしたいという話になりました。SAIさんはデザイン性の高い住居や店舗を数多く手掛けられている実績もあります。それに加えて、CLTセルユニットで2023年のグッドデザイン賞を受賞されたという話題性もありますし、どのように仕上がるのか、とても楽しみだったんです」
 

 

———CLTセルユニットはNさんのおっしゃる「2023年度グッドデザイン賞」に加え、「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されました。

Nさん「非日常を謳う当社の施設ですから、その仕上がりに妥協はしたくなかったんです。ホテルじゃないんだからこれくらいだよね。屋外の施設だからこんなものだろう。そういう気持ちをお客様には絶対に感じてほしくありませんから。テントや内装には力を入れているのに、新しく追加する温泉の空間がそれに見合わないレベルではちぐはぐになってしまいます。元々あった設備と釣り合いが取れるような、高いレベルでの質を求めていた中、SAIさんには見事にやってのけていただきました」
 



 

———お客様にアピールされたいのはどの部分でしょうか。

Nさん「完全な露天風呂が作れた点ですね。元々あった温泉付きの部屋は半露天だったので、今回、リニューアルする部屋には露天を作りたいという思いがありました。CLTセルユニットは構造的にも強固で、しっかりとした作りが実現できます。上質な印象を訴求するため、柱に石材のタイルをあしらうなどして、露天の見せ方にもこだわりました。洗面台、エアコンといった設備部分にも必要なものは全て詰め込めたのは、綿密な図面のやりとりの賜物ですね。SAIさんが住居でも採用されているホテルライクな洗面などを導入できたおかげで、上質で、なおかつ居心地の良い空間に仕上がりました」
 

 

不可能を可能にする
セルユニットのポテンシャル。


———元々あった施設に露天機能を追加するということで、制約も多かったと思います。

Nさん「懸案事項だったのは、新しく作る露天の配置場所に制約が多かった点ですね。ここにしか置けない、なおかつ他の利用者からの目線も避けられるようにしたい、そして山間という緑豊かなロケーションを楽しんでもらうための視界も確保したい、これら全てをクリアする必要がありました。


 

———様々な制約があったんですね。

Nさん「ところが、SAIさんに相談をすると、配置場所について可能性がグンと広がったんです。部屋となるテントの土台はウッドデッキになっているんですが、当初、そのウッドデッキの上に露天を置くしかないと考えていたんですよ。そうすると、デッキの残されたスペースに露天風呂のための面積を確保するのは無理だろうという話になっていました。

ところが、SAIさんが提案するセルユニットは基礎部分をしっかり作り込むことで、その上にポンと露天風呂のユニットを置く工法が取れます。そのため、基礎部分さえ新たに確保できればウッドデッキの有無に関わらず、露天が追加できるという展開が見えてきました。最終的に、既存のデッキ部分を狭くすることなく、新たに空間が創出できた点は私たちにとって大きな手応えとなりましたね」


 

———セルユニットというパッケージがあったからこそのメリットですね。

Nさん「メリットといえば、着工から完成まで、抜群に早かったのも大きな魅力だと思いますね。最終的には基礎部分が完成して、ほんの2週間程度で露天が出来上がってしまいましたから。グランピング施設は当社に限らず、どこも梅雨時期の6月、真冬の2月が閑散期で、夏が最も繁忙期なんです。そのため、5月末に打ち合わせをして、6月中に工事を終わらせてほしいという要望をあらかじめ伝えていました。

実際、7月からの予約を受け付けていたので、全体に譲れない期日だったんです。そんな中、SAIさんは追加工事など全くない完全な形で、さらにハイクオリティな露天を作り上げていただけました。例えば工期が1か月延びてしまった場合、私たちはその1か月分の売り上げが得られません。さらに工事期間の分、お支払いも増えてしまって、ダブルで経営が圧迫されてしまいます。もちろん、速かろう、悪かろうではいけませんが、早くて質が伴っているなら、それは何よりも価値のある魅力だと思います。その点でもSAIさんを、そしてセルユニットというパッケージを選んで良かったなと実感している次第です」

———お客様の反応はどうでしょうか。

やっぱり高い満足度を得られていますね。社内でも、他の部屋も可能な限り温泉付きに作り替えていきたいという話も出ています。ロケーションを活かせるセンス、セルユニットによるハイクオリティでスピーディな納品というSAIさんならでの武器があるので、ぜひまたお願いできたらと思っています。


cocoresort glamping
COMOREBI



住所:〒879-5524
   大分県由布市挾間町時松105

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House Producer

新築事業部 マネージャー
本岡 又親

COMOREBIさんが求める建物へのクォリティや工事のスケジュールに対して、CLTセルユニットや弊社の経験がうまくマッチできたことを心から嬉しく思います。CMOREBIさんの素敵なおもてなしと一緒に、心地よい露天風呂を多くのお客様に楽しんでいただきたいですね。

 

 

今回の工事の様子をまとめた動画を
Youtubeにて公開しております。
ぜひこちらももご覧くださいませ。

 


今回取材させていただいた
COMOREBIさんの写真は
実例ギャラリーにてご覧いただけます。
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前号 vol.177をご覧いただくには
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いつも弊社発行のフリーペーパー「SAIKURU」をご覧いただき誠にありがとうございます。2009年春に創刊した「SAIKURU」2023年の春で丸14年となりました。

スマートフォンやタブレットなどの利用も増え、情報の取得方法の変化にあわせ、今後のフリ ーペーパー版「SAIKURU」は168号で発行を終了し、前号169号よりWEBマガジン「SAIKURU」として、弊社のホームページにて引き続き公開していきます。


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ヌードルライター山田がススメる 今月の一杯

【大分県・別府市】Frari(ふらり)

豚骨醤油を筆頭に
間違いないラーメンが揃う実力店

別府で麺といえば、やはり有名なのは別府冷麺。ただ、それは観光目線というもので、リアルに別府で愛されている麺が気になり、行き着いたのが、この「Frari(ふらり)」でした。
このお店は大分県下においていち早く豚骨醤油ラーメンを打ち出し、人気を獲得しました。



豚骨の出汁は豚のゲンコツのみをしっかり炊き込み、そこに特製の醤油ダレを合わせます。九州というとやや甘口な醤油が一般的ですが、こちらの醤油ダレはそんな甘さが控えめ。すっきりとした味わいにまとまることで、余韻も心地よく、リピーターを生み出し続けているように思います。アクセントに加える魚粉の存在もクセになりますよ。



ラーメンはそんな豚骨醤油に加え、スタンダードな豚骨、醤油スープの中華そば、そして塩ラーメン、さらにはつけ麺までラインナップ。基本がおいしい一杯ゆえに、どのメニューもハズレなしです。


個人的に推したいのが、豚骨と中華そば。豚骨醤油のおいしさの秘密は、確かな豚骨スープと醤油のおいしさです。つまり豚骨ラーメン、醤油スープの中華そばを食べることで、はじめて「Frari」の底力を感じられると考えています。魚粉なし、混じりっけなしの豚骨のピュアな味わいに悶絶し、中華そばの醤油味の切れ味に感激してこそ、「Frari」を満喫することにつながるのです。ぜひ2度、3度通って、制覇してみてくださいね。



客席はカウンターだけでなく、テーブル席もきちんと用意されているので、グループで、もちろん家族でも気軽に利用できますよ。別府の中心地からやや離れた立地ながら行列ができることでも知られる「Frari(ふらり)」。わざわざ足を運ぶ価値ありです。

DATA
【住所】大分県別府市北鉄輪6組
【電話】0977-75-9087
【営業】11:30~14:30、18:00~20:30 ※売り切れ次第終了
【店休】火・水曜
【P】あり

 

山田祐一郎(KIJI ヌードルライター)

1978年生まれ。2003年よりライターとしてのキャリアをスタート。現在は日本で唯一(本人調べ)のヌードルライターとして、雑誌、ウェブマガジン、書籍などの原稿執筆に携わる。毎日新聞での麺コラムつるつる道をゆく」をはじめ、連載多数。webマガジン「その一杯が食べたくて」は1日最高13,000アクセスを記録したことも。著書「うどんのはなし 福岡」「ヌードルライター秘蔵の一杯 福岡」。2017年スマホアプリ KIJI NOODLE SEARCHをリリース。未知なる麺との出会いを求め、近年では国内のみならず海外にも足を運ぶ。2019年より製麺所を営んでいた父の跡を継ぎ、「山田製麺」の代表に。執筆活動と並行し、製麺にも取り組む。

4コマ漫画
レッツゴーサイクル

ラブラドール犬のサイクルと建築士のケンちゃんが
繰り広げる微笑ましい暮らしぶりをお楽しみください。

 

 


【Kanac 】プロフィール
イラストレーター。Web漫画を描いたりwebサイトを作ったりしています。
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