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#コラム

SAIKURU Vol.174 「北欧をテーマに築30年のマンションを リノベーション。」

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SAI建築社が提案する
暮らしと住まいの新しいサイクル
と題して定期的にお届けしている
WEBマガジン「SAIKURU」

2023年4月よりWEBマガジンとして
リニューアルいたしました。

ぜひご一読下さいませ。

 

Case 174
【福岡市・早良区】2022年6月完成

 

北欧をテーマに築30年の
マンションをリノベーション。


サイクルが発足して以来、これまで数多くのインタビューをしてきました。そんな中、特に新築でイエを建てた方々が口を揃えるのが「土地」の問題です。良い土地というのは実に限られていて、良い立地であればあるほど、すでにその場所には建物が建っているものです。

不動産関係の会社で働くMさんが選んだのは中古マンションの購入でした。元々、そのマンションの界隈に土地勘があり、エリアを絞って住まい探しをしていたそう。ちょうど理想の場所のマンションに空きが出たため、迷わず即決。「建物自体の形状もカッコよくて気に入っています」というMさん。この場所、そしてこの建物に惚れ込んだようです。築年数は30年以上。リノベーションありきでの物件購入でした。今回はご夫婦に、リノベーションの経緯をうかがいました。
 

 

リノベーションで
価値を高めたい。

 

──ここで暮らす以前はどちらにお住まいだったんですか。

ご主人「以前はワンルームの賃貸だったんですよ。結婚する前から暮らしていて、結婚後、そのまま住んでいた感じです。本当に1人用の住まいだったので、とても狭くって。なるべく早く、どこかに引っ越したいなと思っていました」


──このマンションを選んだ決め手は。

ご主人「この場所に決めたのは僕の地元がこの辺りで愛着があったという点もありますが、それを抜きにしても、暮らしやすそうだという感覚があったんです。すぐ近くの小学校でサッカーのコーチをしていて、それもあって毎週のようにこの界隈に来ているんですが、来れば来るほど、この地域のことが好きになれました。

あとはこの建物でしょうか。すごく外観もかっこよくって。今の時代だと建てられないような、ちょっと贅沢な造りなんですよ。築年数自体は30年くらいですが、しっかりした造りなので、そこにも惹かれましたね」


──このマンションがちょうど空いたと聞きました。

ご主人「たまたまなんですが、僕が勤めている会社でこのマンションを管理していたんです。マンションに空きが出るということで、僕らも結婚後、さすがに手狭だったので住まいを移したいというタイミングだったので、すぐに決めました。近くにも、もう一軒、マンションで候補があったんですが、そちらは新築で、しかも価格も倍くらいして。さすがに予算オーバーでしたね」

奥様「徒歩圏内でスーパーやドラッグストアもあってバスに乗れば天神方面へのアクセスが良好で、それでいて都市高速道路へもすぐに行けて、病院もたくさんあるし、私たちの行動パターンにすごくぴったりな場所なんです」


──リノベーションにあたり、SAI建築社を選んだ理由は。

ご主人「勤めている会社と以前から付き合いがあったという点が大きいですね。会社で何個かプロジェクトをお願いしたんですよ。その際にしっかりしたお仕事で返していただけて。うちの代表からも『せっかくだったらSAIさんが良いんじゃない』と言われました。

例えば、探せば安く抑えられる工務店もたくさんあるんです。ただ、不動産の仕事に従事している身としては、せっかくお金を掛けるのに、価値が高められないのが一番もったいない。ちょっとお金を掛けても、その分で価値が高められるのであれば、将来的にもしこのマンションを手放すことになっても高く売れるので、投資だと思って決めました」


 

奥様「もちろん、SAIさんのセンスに惹かれたという面もありますね。これから暮らすイエですから、せっかくならオシャレな住まいにしたかったのはありますね。その点で営業担当の栗崎さんには本当に親身になってアドバイスをいただき、夫はそういう内装のことはノータッチだったので、どんどん栗崎さんと進めていった感じですね」

ご主人「僕はもう場所だけです。この場所が押さえられたので、もう本当にそれだけで十分。お金の計算や契約関係のことは僕が担当し、間取りも含めて、暮らしに直結する部分は妻にお任せしました」


リビング リノベーション前 


リビング リノベーション後

 

必要な部分に
必要なスペースを。

 

──リノベーションで特にポイントになった場所はどこですか。

奥様「キッチンですかね。今度、新しいイエにするなら、キッチンは絶対にタカラスタンダードの『オフェリア』が良かったんです。SAIさんにリノベーションを相談しに行った際、真っ先にキッチンのことを尋ねたら、お取り扱いがあるということで、もうそれで完全に心を掴まれました」

 
キッチン リノベーション前


キッチン リノベーション後

ご主人「このオフェリアのシリーズは本来、戸建て用の商品ということもあって、どこでも取り扱えるわけではないんです。ある程度、実績がないと入れさせてもらえない。例えばリノベーションだけをされてある小さな工務店さんにお願いしていたら、オフェリアは入れられなかったでしょうね。

一方でSAIさんの場合、戸建てで長年、実績を積み重ねてこられているからこそ、信頼、信用があって。だからこそ、今回のようなマンションのリノベーションでもオフェリアが選択肢に入るんです。他では選べない選択肢が生まれるというのは高ポイントでした」


ダイニング リノベーション前


ダイニング リノベーション後
 

──リノベーションで大きく変更した箇所は。

奥様「広いLDKがほしかったので、元々、和室だった空間をフローリングに変更し、さらに和室とキッチンとの間にあった壁を取り壊して、広々としたLDKにしました。主寝室側を向いていたキッチンも、LDK側に向けて、オープンキッチンにしています。以前の和室とキッチンだったスペースについてはガラリと変わっていますね」
 


LDK リノベーション前
 


LDK リノベーション後


ご主人「あとはトイレが無駄に広く、動線的にも使い勝手が良くなかったので、思い切って移動しました。トイレは玄関から直線上に入口を設け、トイレ自体の空間はコンパクトに。そこで生まれた空間は収納スペースに活用しています。


玄関 リノベーション前
 


玄関 リノベーション後
 

リノベーションの場合、元々の物件ありきで話を進めないといけませんから。こちらがどんなに『こう変更したい』という希望があっても、構造上、動かせない柱があったり、梁、配管が出っ張っていたりすると、実現は困難なので、物件の状態をSAIさんに見ていただきつつ対話して、できること、できないことを相談していきました。結果的に最も効率的だったと思います。

あと、気に入っているのは、玄関の収納ですね。一般的にちょっと前の賃貸物件だと玄関周りが窮屈で、収納スペースも少ない印象なのですが、これから先の暮らしを考えて、玄関周りに収納を増やしました。ゴルフが趣味で、今まではその道具をずっと部屋の奥まで持ち込んでいたんですが、ここに収納ができたおかげで本当に便利です」


———デザイン面では何か意識されましたか。

奥様「イメージ的には北欧の暮らしに憧れがあったので、空間づくりではところどころ意識しました。派手な差し色を使うというよりも、全体的にトーンを北欧っぽく仕上げてもらっているんです。
特に気に入っているのが、玄関とLDKの境目にあるドア。このドアがやや暗めのネイビーで、すごく上品な印象なんです。ドアノブのゴールドもカッコいいなって、今見ても、惚れ惚れしています。


リビングドア リノベーション前
 


リビングドア リノベーション後


 


LDK リノベーション前
 


LDK リノベーション後
 

このドアから続くキッチン周りの天井なども合わせてネイビーにしてもらいました。このネイビーのおかげで家具の木目もすごく映えている気がしています。

本当に、キッチンならキッチンで、リビングならリビングで、その場所ごとに100ぐらい決めるんじゃないかっていうくらい、選択の連続でしたから。その選択のたびに頭を悩ませて。そういう意味で、趣味の合う栗崎さんだったからこそ、選択する際に的確なアドバイスがもらえて、スムーズに進められた気がしますね」


 

「出掛けたい」から
「出掛けたくない」に。


———新しい暮らしはどうですか。

ご主人「玄関からすぐの場所に作った僕の仕事にも使えるミーティングルームもすごく便利です。もちろん、不動産の打ち合わせに利用してきたんですが、ちょっと前に妻がコロナ禍のため、リモートワークだった時期があって、その際にも活用できました。リビングも広くて居心地が良いんですが、仕事とプライベートを分けるという意味で、メリハリができてよかったですね。
 


ミーティングルーム リノベーション前
 


ミーティングルーム リノベーション後
 

あとはこのミーティーングルームには趣味の自転車の置き場所としても使っています。元々、僕の趣味だったんですが、妻も興味を持ってくれて、妻用にも自転車が1台増えたので、そちらも合わせてこの部屋に置いています」


主寝室 リノベーション前
 


主寝室 リノベーション後

 

奥様「大きく変わったといえば、家からあまり出掛けなくなったということですかね。以前のイエは狭すぎたのもありますが、全然、ゆっくりくつろげなくって。だから何か理由をつけて外に出掛けていました。外に出掛けたかったんです。でも、今ではキッチン、リビング、寝室、当たり前かもしれませんが、そういった暮らしの空間がしっかり分かれているので、食べる、くつろぐ、寝るといった一つひとつの生活が以前よりも丁寧にできている気がします」


———趣味もますます楽しくなりそうですね。

ご主人「自転車については、格段に楽しくなりました。以前は中央区の薬院あたりに住んでいたので、糸島方面に繰り出そうとすると、結構な距離の街中をゆっくりと走らないといけなくって。それが結構、ストレスだったんですよ。
今のイエは、そんな走っていて気持ちよくない街中を抜けた位置にあるので、いきなりスピードが出せる気持ちいい地点からスタートできるんですよ。本当にその点は最高ですね」




奥様「都心の端っこみたいな立地のため、そんなに田舎というわけでもないのに、遠くに山が見えたり、川が近くを流れていたり、自然が近いところは気に入っています」

ご主人「趣味にしても、日々の生活にしても、全てにおいてゆとりが生まれた気がしますね。これからもこのイエでの暮らしを楽しんでいこうと思います」
 


 

House Producer

リノベーション事業部 
栗崎 清崇

お二人の生活スタイル、趣味などを踏まえて、『もし私なら…』という考えでプラン、素材をご提案させて頂きました。奥様の家作りの想いが伝わりましたし、それにお答えできて私も満足してます。その想いに寛大なご主人様。とても楽しい現場でした。次はゴルフ負けませんよ!笑

 

今回取材させていただいた
M様邸写真は
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いつも弊社発行のフリーペーパー「SAIKURU」をご覧いただき誠にありがとうございます。2009年春に創刊した「SAIKURU」2023年の春で丸14年となりました。

スマートフォンやタブレットなどの利用も増え、情報の取得方法の変化にあわせ、今後のフリ ーペーパー版「SAIKURU」は168号で発行を終了し、前号169号よりWEBマガジン「SAIKURU」として、弊社のホームページにて引き続き公開していきます。


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ヌードルライター山田がススメる 今月の一杯

【福岡市・姪浜】チャイナキッチン 麻婆

 

まぜるほどに極まる!
均衡で魅せる汁なし坦々麺


最初にこの店を訪れたのは、かれこれ10年くらい前。とある直木賞作家の方に教えていただいたのがきっかけです。
聞けば、店主はこの日本において、 “四川料理の父”と称される陳健民さんと、そのご子息・健一さんに師事していたそう。そして、長らく日本にその名が知れ渡る「四川飯店」の屋台骨を支えたという人物なのです。



ランチタイムでは日替わりのお得なセットが楽しめます。もちろん、単品の注文もOK。唐揚げ、油淋鶏といった一品料理でちょい飲みも楽しめるという、最高の町中華でもあります。

ぼくは過去に、5度ほど訪れていますが、そのうち、4回、注文したのが汁なし担々麺。日本ではまさに陳さんが考案したスープがある担々麺のほうがポピュラーな印象ですが、元々、現地で親しまれてきた担々麺はスープがありません。そんなルーツを大切にしたいので、最初は汁なし担々麺をオーダーしました。



ところが、通うたびに、もう汁なし担々麺以外が目に入らないくらい、この一杯に首っ丈。同行者がいたときに一度だけ五目そばのセットに浮気した以外は、常に汁なし一択。

四川料理は基本的に辛さ、痺れが効いています。その辛さとはラー油であり、痺れとは花椒(ホアジャオ)。そのバランスが秀逸なんです。辛すぎることも、痺れすぎることもない。バランスの極み。



店主に話を聞いてみると、やはり「バランスだ」と。自家製の芝麻醤のまろやかなコク、そして辣油の香ばしい刺激、花椒による上品な痺れ、そのどれもが突出していないんです。

シンプルな料理だからこそ、難しい。本当にその言葉が体に染み渡る一杯です。
おいしく食べたいなら、よくまぜること。まぜる、まぜる。全てが渾然一体となり、おいしさのビッグウェーブが舌を包み込みます。

ちなみに、店名にもなっている「麻婆」。この麻婆豆腐も最高に美味。ライターが美味って書くなんて手を抜きすぎだ、とは言わないでください。「誰でも知っている料理だったら、違いが分かるからね」という店主の言葉をここに置いておきます。言葉はもはや不要。食べるべし、です。



麺とセットにするなら、麻婆丼もハーフサイズに変更可能。ぜひ汁なし担々麺とのゴールデンコンビをご堪能あれ。


【住所】福岡市西区姪の浜6-12-30
【電話】092-881-5577
【営業】11:00~14:00(LO)、17:00~20:00
【店休】日曜、祝日
【P】なし

※コロナ禍で営業時間、定休日に変更がある場合があります

 

 

山田祐一郎(KIJI ヌードルライター)

1978年生まれ。2003年よりライターとしてのキャリアをスタート。現在は日本で唯一(本人調べ)のヌードルライターとして、雑誌、ウェブマガジン、書籍などの原稿執筆に携わる。毎日新聞での麺コラムつるつる道をゆく」をはじめ、連載多数。webマガジン「その一杯が食べたくて」は1日最高13,000アクセスを記録したことも。著書「うどんのはなし 福岡」「ヌードルライター秘蔵の一杯 福岡」。2017年スマホアプリ KIJI NOODLE SEARCHをリリース。未知なる麺との出会いを求め、近年では国内のみならず海外にも足を運ぶ。2019年より製麺所を営んでいた父の跡を継ぎ、「山田製麺」の代表に。執筆活動と並行し、製麺にも取り組む。

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