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#コラム

SAIKURU Vol.165 WEB版「この場所で、この先も積み重ねていく。」

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SAI建築社が提案する
暮らしと住まいの新しいサイクル
と題して毎月お届けしている
フリーペーパー「SAIKURU」

今回は2022年12月に発行した
vol.165号のWEB版です。

ぜひご一読くださいませ。

 

 

 

この場所で、この先も
積み重ねていく。

 

CASE.165
福岡市・次郎丸
2022.10 完成

海外の空気を感じさせるモダンな雰囲気の店内。カウンターはアールの部分があることで、作業効率もアップしました。

 

真っ白な暖簾が映えるファサード。紺一色にペイントしたガルバリウム鋼板の壁は道ゆく人々に清潔感とともに個性を伝えます。

 

厨房の奥に備えたスープ室。強い火力で豚骨を炊き上げるため、高温対策と合わせて、防火対策もしっかり取り入れました。

 

 

「極上の普通」と
「新しい大衆感」を柱に

 

 3センチ四方の積み木をイメージしてみてください。3段くらいなら、少し積み方がズレていても、きっと崩れません。ただ、50段だったら、ズレないように積み上げないと難しいはず。高く積み上げるには、一つひとつズレないように丁寧に乗せていく。そして、これは仕事においても同じことが言えます。 早良区次郎丸で10月に開業した「ラーメン ツミキ」。

 屋号の〝ツミキ〟は、まさに積み木のことです。店主の土井さんは日本、そして今や世界に展開する福岡発のラーメンチェーン「一風堂」の出身。海外の一風堂における商品開発の中心人物として世界を飛び回っていました。「コロナ禍になり、渡航が難しくなった際に、自分のこれまでの人生を振り返ったんです」。

 世界にある一風堂のお客様のために魅力あるラーメンを企画する日々は本当に刺激とやりがいに満ちていました。ただ、海外と日本ではラーメンにおけるイメージ、求められるものが大きく異なるそう。「日本でのラーメンは国民食であり、やはり大衆のための食べ物だと思います。ただ、海外でのラーメンは、日本からやってきた非日常の食べ物という側面が大きく、商品企画においても非日常感を演出できるような、いわゆる〝映える〟ラーメンを考案し、世に送り出してきました」。

 一呼吸をおいて「そこに、少しずつもどかしさを感じていたんですよね」と土井さんは続けました。 どんなラーメン店にしたいか。それはラーメンそのものの話でもあり、店づくりの話でもあります。「誰もが入れる気軽な店。ラーメンそのものは決して突飛なものではなく、老若男女が安心感を持てるスタンダードなもの。それらを大切にしたいと考えました」。こうして生まれたのが「極上の普通」 「新しい大衆感」 というコンセプトです。そしてその土台にあるのが、積み木が表現する「ひとつひとつの積み重ね」という思いでした。

 開業の場所には、あえて博多や天神界隈といった都心のど真ん中ではなく、いわゆる郊外エリアを想定します。「暮らしが、そこに確かにあるエリアが良いと思えました」。施工会社は前職時代からよく知るSAI建築社一択だったそう。「一風堂時代から店舗の施工・設計の確かなクオリティに触れていましたし、暮らしの中で馴染む店を作るなら、上質な暮らしを提案するSAIさんが良いなと思ったんです」。こうして土井さんの店づくりが動き出しました。

 

店は基本的には土井さんと奥さんによる2人営業。それを踏まえて動きやすさを考慮しました。

 

温度や湿度にシビアな製麺室には空調を導入。食材の保管スペースも確保。

 

天井は埋め込み式のダウンライトにすることで空間を広く感じさせます。

 

シンプルでありながら
目を引く佇まい

 いかにもラーメン屋というような店にはしたくなかったという土井さん。「目を引くけど、シンプルでスマート。そういう見せ方が良いと思いました」という考えから、箱型の建物の周りをガルバリウム鋼板でぐるりと囲うことに。一見するとカフェのような佇まいは、狙い通り、行き交う人々の関心を集めています。

  店内はグレーや黒を基調としたシックな雰囲気です。客席はカウンターのみ。このカウンターこそ、ラーメン店において舞台ともいえる重要なポイント。厨房と客席との距離感、お客様との目線の高さ、カウンターの奥行き、イスからの高さなどなど、複雑に絡み合うこれらの検証ポイントを踏まえた上で、何度も打ち合わせを重ねてベストを追求。

 カウンターの奥はL字とせず、アールに仕上げることで、テーブル感覚で利用できるように配慮しました。「来てくれる子供たちが大人になったときにも変わらずやっていたいですね」。開業からおよそ2か月。土井さんの人生は真っ直ぐに積み上がっていきそうです。

 

厨房から一直線でスープ室につながっています。仕込みの効率も格段にアップ。

 

お客様のペースで自由に味変が楽しめるよう、カウンター席の背面にサインと専用冷蔵庫を配置してセルフコーナーに。

 

カウンター上には積み木から連想した木材をディスプレイしました。

 

シンプルでスマートな箱型の建物は、行き交う人たちの関心を集めています。

 

Owner's Voice

「積み木への思いはメモを振り返ってみると2004年から温めていました。そんな思いを、しっかりコンセプトに落とし込んだ上で店舗を設計してもらえ、そこにアイデアもいただき、理想の店になりました。カウンターの微調整にも、その意図を汲んで向き合っていただけ、心から嬉しかったです」ラーメン ツミキ 土井様より

 

House Producer

SAI Design Architect
Director
岩倉 貴志

ラーメン ツミキ、オープンおめでとうございます。土井さんの店づくりに対する熱い思いをしっかり受け止めて、デザイン・設計をさせていただきました。打合せも一つ一つ丁寧に細部にわたって積み上げて、お客様はもちろんのこと、働くスタッフの皆さんにも心地よい空間を作り上げることができたと思います。

 

ラーメン ツミキ
〒814-0165 福岡県福岡市早良区次郎丸3丁目24−1
092-407-6387

 

 

今回取材させていただいた
ラーメン ツミキ様の写真は
ホームページの実例ギャラリーでも
紹介してます。
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SAI建築社が提案する
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毎月、二丈・朝倉のモデルハウスや
各地の分譲住宅や本社ショールームにて
配布中です。

配布後、このホームページでも
WEB版として定期的に掲載していく
予定です。ぜひお楽しみに。
 

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